2022年11月10日から13日にかけて、イタリアのミラノで開催されるモーターサイクル関連の国際見本市、ミラノショー(EICMA)。11月8日からプレスカンファレンスなどが行なわれているが、今回、イタリアのメーカーであるVENTが新しく「X-RUDEコンセプト」を発表した。
『メイドイン・ヴァルサッシナ』を謳うこの小型クロスオーバーモデルは、若者から未経験者を含む大人まで、幅広い層にアピールすることを目的として開発された。流線型のラインやグラフィック、ディテールを備えており、同社が販売している既存のモデルとは明らかに異なる次元の製品を目指したという。
「X-RUDEコンセプト」の心臓部は、ミナレリ製125cc・単気筒エンジンを採用。電子制御燃料噴射システムとスリッパークラッチの組み合わせにより、より効果的な加速を追求している。また、最適な燃焼を追求すべく新型シリンダーヘッドを採用したことがパワーアップと燃費・排ガス低減に貢献し、ランニングコスト(50km/ℓ)の低減を実現したとしている。
サスペンションは、φ41mmのRSV16倒立フロントフォークとRSV16リヤモノショック、ブレーキシステムはフロントφ290mm、リヤφ220mmのウェーブモジュレーションブレーキを装備した。その結果、あらゆる路面において、より効率的で調律されたブレーキングを実現するとしている。
このVENTというメーカーは日本ではほとんど知られていないと思うが、1983年に創業したイタリアのメーカーMOTO spaが前身となる。このMOTO spaは1988年にイタリアでホンダのモトクロスモデルを販売する契約を締結したことから躍進し、「HM」のブランドでエンデューロやモトクロスの世界で世界タイトルを獲得してきた。VENTは2017年からそのMOTO spaの遺産を受け継ぎ、50㏄オンロードモデルと125㏄のモタードモデルとエンデューロモデルを販売。2022年には子供向けのプッシュバイクから電動自転車、競技用スーパーエンデューロなどを展開している。
販路は北イタリアのミラノ周辺を中心とした展開なので日本導入はおそらくないだろう。