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レース参戦に興味を持ったなら一度は行くべし!MFJロードレースアカデミー

MFJロードレースアカデミー

 

ロードレースの次代をになう若手ライダー育成のため、日本モーターサイクルスポーツ協会(MFJ)は、2006年からMFJロードレースアカデミーをモビリティリゾートもてぎにて展開している。12~18歳の若者を対象にモーターサイクルスポーツを通じて社会性や親子のコミュニケーション、向上心、自立心、規律、助け合いの精神を育み、心身の健全な発達をうながすとともに競技力向上をはかることが目的で、年間を通じてレースに必要なマナー、ライディングテクニックはもとより、フィジカルトレーニングやマシンメンテナンスなど総合的なトレーニングを行なっている。最近だとMoto3で活躍している山中琉聖選手がこのアカデミー出身だ。

 

MFJロードレースアカデミー

 

さて今回紹介するのは、そのメインストリームじゃなくて、併催している1dayスクールのほう。モーターサイクルレースの普及振興を目的とするスクールで、年齢性別を問わず、これからレース出場を目指す人、レース初心者の人、あるいはサーキット走行を楽しんでいる人を対象に実績のあるレーシングライダーが、レースに必要なスキルやマナーを教えてくれるのだ。7月17日(日)に開催された回に、女性が4人参加するとのことで、彼女たちにレースの魅力やスクールの感想を聞いたので、レース参戦に興味を持っている人は、ぜひ参考にしてほしい。

今回のインストラクターは、2013~2021年にかけてMoto2で活躍し、現在はホンダの開発ライダーを務める長島哲太選手。今年は、鈴鹿8時間耐久ロードレースにチームHRCの一員として参戦し、見事優勝を勝ち取っている。

フラットな広い場所にスラロームやサーキットを見立てたコースがパイロンで作られ、基礎的な練習を繰り返す。細かく走る時間が分けられていて、走り終わるたびにインストラクターを囲んでミーティング。インストラクターから個々に気になったところの指摘があったり、逆に質疑応答で気になっていたことを聞くことができ、各自気づきをノートにまとめていた。もちろん走行時間内もアドバイスをもらえる。

走るペースが一人だけ違った鎌苅さんは、その場の判断で途中からよりペースの速いクラスに混じって走った。インストラクターたちが個々の走りをしっかりと見て、参加者のレベルに合わせた臨機応変な対応をしてくれるのもこのアカデミー魅力といえる。

最後はMotoGPでも使われるフルコースを20分×2本走行。基礎練習で学んだことをすぐに実践できること、何よりもフルコースを思いっきり走れること自体にテンションが上がること間違いなし。

 

MFJロードレースアカデミー

 

終礼は19時を回っており、8時半からまさに1日みっちり走り込んだ印象だ。長島選手の「今日1日でいきなりポンっとレベルアップするのは難しい。スクールでキッカケをつかんで普段の練習に活かしてほしいです。焦らず楽しみながらやってほしいですね。楽しいことが大事で、楽しめていないと速くはならないです」という経験に基づいた言葉がきっとみんなの心にも響いたことだろう。

鎌苅絢音さん

小学2年生でオフロードバイクに乗り出し、小学3年生でミニバイクにスライドしてからはオンロード一筋で、中学1年生ながらすでにかなりの数のレースに出場している。親からやらされているのではなく、彼女自身が競うのが楽しくて乗り続けているのだ。レース経験が豊富なこともあり、いつかは全日本選手権を走ってみたいというのが現時点のおぼろげな目標なんだそう。実は彼女、今回大阪ら参加していて、1dayを2日受講していたのだ。参加したのは、つねにサーキットに同行している父親の健さんが見ていて“最近急に上達した感じがあって、しっかりとした指導を受けた方がいいんじゃないか”と思い、絢音さんに聞いたとろ、「参加したい」という返事だったから。受講して「ブレーキング時の姿勢とかいろいろ勉強になった」そうで、チャンスがあればまた来たいと言っていた。

柳美花さん

免許を取得して2年半だけれど、乗るようになってからは1年半しか経っていない。というのも免許取得当初は操作が難しいと感じていて運転に自信がなく、バイクに乗るのが怖かったのだ。その後、身近に一緒に走る同志ができたことで乗るようになる。サーキットはミニバイクレースに出ている知り合いに誘われて1年ほど前に初めて足を運んだ。その時公道のような複雑な交通ルールや対向車のないサーキットはライディング技術の向上を図り、安全に走れるようになるにはちょうどいいと思って通うようになる。さらにレースにも興味が出てきて、自分もレースに出場するように…。ちなみにレースは競争するのが楽しくてハマってしまったそう。そんなレース沼にズボズボになり出した昨今、“きちんとしたスクールに行ってみたい”と思うようになり、今回の参加となった。

笹本晶子さん

2013年ころ、もてぎ7時間耐久ロードレース、通称“もて耐”に女性だけのチームで出走しようと誘われたのが、サーキットを走るようになったキッカケ。その際、一緒に出場する人に迷惑をかけられないと、このアカデミーに初めて参加している。そして、この時の経験でレースにハマってしまい、それ以降地方選手権に参戦し続けている。サーキットを走るようになって「集中力がついた気がします」と笹本さん。走る速度域が高かく危険と隣り合わせなのがその要因じゃないかと自己分析する。今回改めてアカデミー参加したのは、タイムが伸び悩んでいたから。「いろいろなスクールに通った結果、広いスペースを使った基礎練習ができるのはアカデミーだけで、何かを得たいと思って前回から参加したんです。そうしたらタイムが一気に縮まりました」と効果がすぐに得られたようだ。

飯塚早苗さん

現在レースを軸に普段の生活も回っている飯塚さん。まさにレースにずっぽりハマっている感じだ。「自分の思い通りにバイクを走らせられないと、タイムも上がらないし楽しくならないんです。だからできない自分と向き合わないとならない。それでハマっちゃったんです」ということで、これまでに他ごとでここまでハマったことはないそう。3年前に参戦するレースのカテゴリーを変えたところ、今まで勢いで走っていて、基本的な細かなことをないがしろにしてきたことを最近になって痛感し、約10年ぶりにアカデミーで学び直してみようと今回参加したそう。「すごい経歴のインストラクターの人たちが、もやもやしていた問題点を明確にしてくれるんです。今回でやらなきゃならないことが見えてきました。参加してとても意味があったと思います」とかなりためになった様子だった。

MFJロードレースアカデミー

主催
日本モーターサイクルスポーツ協会(MFJ)
電話番号
03-5565-0900
URL
https://www.mfj.or.jp/motosports/rdacademy/

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