バイクの楽しみ方はさまざま。“走る”というくくりでもツーリング、オフロード、エクストリーム、ジムカーナなど多岐にわたり、そのなかでも大半のライダーが一度は夢見るサーキット走行。何においても最初は右も左もわからずその一歩が踏み出せずにいる人は少なくないはずだ。そんなライダーたちの背中を押すべく、レディスバイクWEB限定でサーキットにまつわる話をご紹介。前回はサーキット走行における楽しさや、気を付けるべき初歩的なことを紹介した。そして今回はその具体的なルールやマナー、身を守る装備について解説。
サーキットを走るのには何が必要か?
サーキットを走るとはいっても体とバイクさえあれば走れるというわけではもちろんないのだ。ここではサーキットを走るためのマナー、ルール、装備類や車両について必要なモノをピックアップ!
モラル、マナー、ルール編
パドックを移動する際ヘルメットは必ず着用!
公道とはルールが違うので注意
- 公道より対向車がないという点では安全だけど一歩間違えば大きなケガを負ってしまう可能性がある
- 転倒、車両トラブルでコース内に立ち往生した場合ヘルメットは脱いではいけない
コースサイドでふられるフラッグや走行時の注意事項、コースイン・アウトの方法など頭に叩き込むこと
車両編
ミラーや灯火類へのテーピング
エアゲージを使って空気圧のチェック
日々の点検+消耗品パーツをチェック
ちなみに…
サーキットへ行くのには自走とトランポに積むかの2択だ。自走は言葉の通り自分のバイクでサーキットまで行くこと。トランポは車(トランスポーター)へバイクを積んで運ぶことを差す。自走の場合であればレーシングスーツを大きめのシートバッグに入れて運ぶか自宅から着て行くことになるがトランポであれば荷物も一緒に積むことができ、事前にミラーや灯火類を取り外しておくこともできるので走行前準備に多少の余裕ができるのがメリットだ!
装備編
走るのに必要な装具類をチェック!
レーシングスーツ
レーシングスーツとは革製のツナギのことで摩擦や熱に強く、通常のライディングウエアより頑丈な作りをしていることから安全性は非常に高く、肩やヒジにはハードプロテクターや金属製のパッドが装備されている。レーシングスーツには上下一体型のワンピースタイプと、上下が分かれるセパレートタイプもあり走行会によってはセパレートタイプでもOKという場合もあるぞ。価格は新品で10万~30万とピンキリで、最初はサイズさえ合えば中古やレンタルでも十分だろう。
レーシンググローブ
革でできたグローブで手首までがしっかりおおわれていることがポイント。ツーリングで使用するグローブよりもかなり頑丈な作りをしているのでクラッチ操作などに慣れが必要だが、安全性を考慮しての作り。また小指と薬指がつながったデザインのグローブが存在するが、それは転倒時に小指が地面に巻き込まれて折れてしまうのを防ぐためのもの。価格帯は1万円~5万円前後。
- 製品名
- Alpinestars/STELLA SP-8 v2 LEATHER GLOVE
- 価格
- 1万4,080円(税10%込)
- カラー
- BLACK WHITE・BLACK DARK GRAYE・BLACK WHITE FUCHSIA
レーシングブーツ
基本的には足首からふくらはぎまでが隠れるモノが主流となっており、可動部分はシャーリングを用いるなどして動きやすく設計されている。転倒に備えて各部にプロテクション機能を持たせ、万が一足がバイクの下敷きになってしまった場合でもケガを最小限に抑えてくれる。バンク角によっては足が地面に触れてしまうため摩擦力軽減を目的としたスライダーがツマ先や足の外側に配されている。価格帯は2万円~7万円ほど。
プロテクター
レーシングスーツ本体には肩やヒジにプロテクターが装備しているが、背中と胸には外付けのプロテクターが必要な場合がほとんどだ。通常のライディングギア用とは若干異なり背中から腰までを覆い、動きやすくするため蛇腹状になっているなどの工夫がほどこされている。胸部もレーシングスーツ用プロテクターがあり、命を守るためにも着用することをオススメする。
そのほかにも必要なアイテム
インナー
レーシングスーツは革でできているがゆえに、汗をかいたりすると肌に張り付いてしまいインナーなしでの着脱はめちゃくちゃ大変なのだ。とくに夏は地獄。全身タイツのようなワンピースタイプがおすすめだが、クールインナーとレギンスなどの組み合わせであればお安く済ませられるぞ!
ヘルメット
サーキットを走るには基本フルフェイスタイプのヘルメットが必須で、MFJ公認のモノが推奨されているぞ。またライダー本人がヘルメットを自身で脱げない状況で役立つヘルメットリムーバーの存在も覚えておくと○。
タイヤゲージ
上でも説明した通りサーキットではタイヤの空気圧を低くすることが推奨されているため、空気圧チェックが必須!
以上がサーキット走行に必要なマナーやルール、装備たちだが、とくに装備に関してはすべてにおいて新品をそろえなければいけない!というわけではない。サイズが合えば友人に借りたりメーカーによってはレーシングスーツ、グローブ、ブーツなどフル装備のレンタルサービスも行なっている。一回行ってみて少しでも楽しい!自分のレーシングスーツがほしい!となった場合の参考にしてもらいたい。
サーキットという場は公道で守らなければいけない道路交通法がない代わりに、初めに書いたような基本的なルール、マナーのほかにサーキットや走行会独自のルールが存在する。覚えることはたくさんだが楽しめるようになると新たな世界が目の前に広がり、バイクがより楽しいものと感じるはず。初心者向けの走行会なども1年を通してさまざまな企業やショップが開催しているのでチェックしてみて!