サーキットでの速さを追求
2019年のEICMAで発表となり、そのレーシーなフォルムに全世界から注目が集まったホンダ・CBR1000RR-R。その詳細に迫る。
写真:夏目健司
左がスタンダードで右がSP。パッと見で見分けるならフロントフォークの色だ。スタンダードがブラックのアウターとシルバーのインナーなのに対し、SPは両方ともゴールド
ライダーをサポートするさまざまな機能を装備
ホンダのスーパースポーツシリーズCBRの最新フラッグシップモデルとして、サーキットで速く走ることに主眼を置いて開発されたモデルである。本田宗一郎の名文句の一つに「レースは走る実験室」があるけれど、最近のMotoGPは市販車へのフィードバックからかけ離れた存在というイメージがあった。
ところが、このCBRは、これまでの車両と比べて、もっともMotoGPを走るRC213Vからのフィードバックのあった車両なんだそう。確かに、サイドカウルから張り出したウイングレットのように目で見てわかるところもある。まさに世界最高峰のロードレースで常勝のマシン直系のモデルといっても過言ではないのかもしれない。
新たにレーススタート時の操作をサポートするスタートモード制御を採用するなど電子制御も進化しており、価格などの詳細が気になるところだ。
SPEC.(欧州仕様)●全長×全幅×全高:2,100×745×1,140(mm)●軸間距離:1,455mm ●シート高:830mm ●車両重量:201kg ●エンジン型式・排気量:水冷4ストローク DOHC 4バルブ 並列4筒気筒・999cm3 ●最高出力:160kW(217.5ps)/14,500rpm●最大トルク:113N・m (11.8kgf・m)/12,500rpm●燃料タンク容量:16.1ℓ●タイヤサイズ:F=120/70-17・R=200/55-17 COLOR VALIATION:グランプリレッド・マットパールモリオンブラック
ライディングモードなど電子制御の設定変更は、左ハンドルスイッチボックスのボタンとスイッチにて、メーターを見ながら直感的に行なえるよう工夫されている
5インチのフルカラーTFTメーターは、デジタル、アナログ、バー、ノーレブ、プラクティスと5種類の表示が用意され、プラクティスには車体のバンク角が表示される
タンデムシートは簡単に取り外せて、シート裏の左右には荷物を積むときなどに活用できるフックを装備。そういった心づかいがユーザーにはうれしいのだ
スマートキーを採用。質感の高いキーが、ホンダ・スーパースポーツの旗艦であることを主張する。車体のメインスイッチはメーターの左サイドに装備されている
アウターパネルと羽の間には隙間が空いたウイングレット。この隙間があることでベストなダウンフォースを発生させているとのこと。なかなかに奥が深いのだ
トライ&エラーを繰り返すという地道な作業によって突き詰められたエンジンは、最高出力160kW(217.5ps)という驚異的な数値を叩き出した
スタンダードとSPの差
フロントフォークはスタンダードがショーワ製でSPがオーリンズの電子制御式。ブレーキキャリバーはスタンダードがニッシン、SPがブレンボでいずれもモノブロックとなる
リヤショックもスタンダードかショーワに対してSPがオーリンズの電子制御タイプ。SPは車高調整機構も採用していて、より細かなセッティングができるのだ
バッテリーはスタンダード(左)が鉛、SPがリチウムイオンとなる。スタンダードですら電子制御の入った1000ccクラスとしてはコンパクトな印象だ
- 問い合わせ先
- ホンダお客様相談センター
- WEBサイト
- http://www.honda.co.jp/motor/
- 電話番号
- 0120-086819