バイクにはさまざまな種類があり、その中で取りまわしがしやすい車種とそうじゃない車種がある。初めての愛車を選ぶときにどれにしようか迷ったら、取りまわしがしやすいことをポイントにして選ぶのもアリ!ここでは、取りまわしがしやすい車種のポイントについて解説していこう。
まずバイクの重さとなる“車重”が大きなキーワードになる
車重は、当然取りまわしにも影響する。どれくらいの数値なら取りまわしをしやすいのかは、体感しなければわからないから、比較の対象として教習所で最初に接するネイキッドを参考に、自分に無理のない重さかどうか考えてみよう。教習の回数を重ねても、どうしても取りまわしのときにバイクを重たく感じ、一人で動かすのがつらいのなら、ネイキッドよりも軽い車種を選んだ方がラクに取りまわしができるハズ。それでは各ジャンルの車重を比較してみよう。
教習車の車重は?
まずは多くの教習所で使われているCB400SFやCB750、NC750の車重はおおよそこのくらい。エンジンガードやランプ類などが装着され市販モデルよりも、約10kg重くなっている。教習中に感じた重さの感覚からこの程度までは自分で取りまわしができそうだという目星をつけてみよう。それでは次に他のジャンルと比較してみよう。
ネイキッド系の車重は?
大小さまざまな排気量にいろいろなスタイリングのモデルがラインナップされているネイキッド系。昔ながらのベーシックなデザインのネイキッドモデルは比較的車両重量が重い傾向にある。その一方で、シャープなスタイリングのストリートファイター系のモデルは車両重量が軽いモデルも多く、ヤマハのMT-07は大型バイクなのに179kgという驚きの車両重量を実現している。
レトロ&トラッカー系の車重は?
メッキパーツがふんだんに採用され女性に人気があるレトロ系。人気のヒミツはデザイン性のよさだけではなく、車重の軽さにもある。排気量の小さめのモデルが多いことや、単気筒エンジンを採用している場合が多いから、車重の軽さに加えてスリムでまたがりやすいことが多い。逆に排気量が大きいモデルは車重は重いものの、その分パワーがあるなど魅力的なところもあるけれど、いつも行なう取りまわしのしやすさを優先させ、一人でしっかりと扱える車種を選ぶのも賢い選択肢といえるかも。
クルーザー(アメリカン)系の車重は?
クルーザー(アメリカン)系は総じて車両重量が重ための車両が多い。だから取りまわしがしにくいのかというと、一概にそうともいえない。低いシート高のおかげで、車体の重心が低くてフラつきにくかったり、“取りまわしがうまくできない”の項目で紹介したように、またがった状態で両足を着きながら移動させることもできるから、そのやり方なら重たくても不安を感じないのでクルーザーを選ぶという女の子も多いよう。それでもやっぱり他のジャンルのバイクと比べるとかなり重ためなので、足つきに不安がないというのであればやっぱり車両重量が軽いバイクの方が取りまわしはしやすいよ。
車重に加えてハンドル形状も取りまわしに関係する
バイクのハンドル形状は、大きく分けてバーハンドルとセパレートハンドルの2種類がある。スポーツライディングに必要なポジションを確保するため、ハンドル位置が低いスーパースポーツなどは、セパレートハンドルを採用している。ハンドル位置が低いということは、ハンドルを思いっきり切ったとき、タンク部分に当たってしまうから、ハンドル切れ角をあまり大きく確保することができない。それで何が困るのかというと、たとえばエンジンを切った状態でUターンをさせるときなんかに、バーハンドルのバイクなら一度で回れるけれども、セパレートハンドルだと切り返しが必要になるというケースがあり得るかもってこと。
ここではわかりやすいように例を挙げてみるよ
スーパースポーツのスズキ・GSX-R1000R ABSのハンドル切れ角は27°で、上の図のように左右に27°ずつハンドルを切ることができる。ところがバーハンドルのなかでもとくにハンドルの切れ角が大きいヤマハ・セローは、なんとハンドル切れ角が51°もある。このハンドル切れ角の違いから、GSX-R1000R ABSではハンドルを目いっぱい切って回っても半径3.5mの円でしか回れないけれど、セロー250なら半径1.9mの円で回れちゃうというワケ。
こんな風に、バイクの車重とハンドル切れ角は、取りまわしのしやすさに関わるキーワードになる。これから愛車を購入するという人は、ぜひ参考にしてみてね。