普段は目につかない部分に隠れているブレーキパッドだけれども、ブレーキをかけるたびにローターに押し付けられ少しずつ減っている。そこで、消耗品であるブレーキパッドの交換時期を簡単に説明するよ。
定期的な交換が必要なブレーキパッド
ホイールを手で触ってみると黒っぽい粉が指に着くよね。ブレーキダストと呼ばれるこの汚れの正体はブレーキをかけることで削れたブレーキパッドやローターの削れカス。こう聞くと、ブレーキパッドが消耗品だってことがよく分かるハズ。
まずはリザーブタンクをチェック
まずはブレーキレバーの左側辺りに取り付けられている、リザーブタンクというパーツをチェックしてみよう。リザーブタンクの形自体はバイクによってマチマチだけれども、中のオイルが見えるようになっている点検窓と“LOWER”という文字の横に線が引かれているハズ。この線よりもオイルの位置が下に来ていたらブレーキパッドが減っているか、オイル自体が漏れて減ってしまっているかのどちらか。オイルが漏れている様子がなければ、ブレーキパッドが減っている可能性が高いよ。
このリザーブタンクの中の液体はブレーキフルードというオイル。ブレーキレバーを握ったときの力がこのブレーキフルードを伝ってブレーキキャリパーへ届く。そしてブレーキパッドがローターに押し付けられて、バイクが減速するんだよ。
ミゾがなくなったら交換時期
リザーブタンクをチェックして、オイルが点検窓の線を下回っているようであれば、今度はブレーキパッドの減り具合を実際に見てみよう。ブレーキパッドの交換時期はパッド表面に刻まれているミゾがなくなったとき。
多くのバイクはブレーキキャリパーをのぞき込むと、ローターに接しているブレーキパッドとそのミゾを確認することができるようになっているから、チェックしてみよう。暗くて見にくい場合も多いのでペンライトなどを用意しておくと確認がしやすいよ。
交換の目安は車種や乗り方に左右されるので一概には言えないけれど、5,000〜1万kmぐらいと考えておこう。比較的簡単に自分で交換することができるパーツではあるけれど、ブレーキ系は命に係わる部分だから整備に自信がない人はバイク屋さんやバイク用品店で交換をお願いしよう。
そもそも、ブレーキってどういう仕組みなの?
ここで紹介しているブレーキは今現在、多くのバイクで一般的に採用されているディスクブレーキと呼ばれる形式のもの。その仕組みとは、タイヤと一体になって回転している金属製の円盤(ブレーキディスクまたはローターと呼ぶ)を、左右からブレーキパッドで挟み込んでギューっと押し付けることで摩擦を発生させて、回転を止めている。このため、ブレーキパッドは消しゴムのように、使った分だけ削られて減っていくので、完全になくなってしまう前に交換する必要がある。もちろん、ブレーキパッドが削られるのと同時に、ブレーキディスク(ローター)も摩耗しているので交換が必要なパーツの一つであるということは覚えておこう。
ブレーキの感触が変わったら
もし、ブレーキング時に“ゴゴ”とか“グギギ”といった、金属同士がこすれ合うような感触や異音を感じたら、パッドがすでになくなってしまっている状態が予想される。真っ先にブレーキパッドの残量をチェックしよう。そのまま乗っているとブレーキの効きが悪くなって危険なだけでなく、ローター自体がすごい勢いで削られてしまうから、高い修理代を支払うことになってしまうかも。