扱いきれるサイズ感とゆとりあるパワー、フィールドを選ばないスタンダードバイク
ちまたで人気の“ミドルクラス”と呼ばれるカテゴリー。それらは、イチバンおいしいトコ取りをした、魅力的なバイクなのです。その中でもピカイチでオススメなのが、クラス唯一Vツインエンジンを搭載したこのSV650なのです。
SUZUKI広報さんのオススメポイント
- Vツインエンジンならではの心地よい鼓動感。スロットルの開け始めからしっかりしたトルクで押し出してくれて、ワクワク感が止まらない!
- スリムにしぼったシート+785㎜のシート高で足つき性は良好です!
- 各車体色に合わせたカラーのトラスパイプフレームは、存在感を放つ映えポイント! ホイールの色も車体色によって最適なチョイス!
SUZUKI SV650 ABSのスタイリング
※撮影車両は2022年モデルです
妥協したくない小柄な女子ライダーにもオススメ
コンパクトだけどパワフルミドルクラスのVツイン
650というのは世間的にミドルクラスと呼ばれる排気量。大型免許を取ったし400㏄クラスでは物足りない、けれど体格的にリッターバイクはきびしいとか、扱いきれる感がほしい!というライダーにとっては、ほどよいサイズ感や大型バイクを手軽に楽しめて所有感も満たせる、まさにいいトコ取りのクラスなのです。
付き合ってみると、この取りまわしやすさは大きな魅力です。サイズ感は400㏄クラスとさほど変わらず、駐輪場などから出し入れするときの押し引きの軽さや、またがってバイクを起こす時の手ごたえなんて、ずっと気ラクです。このSV650はそんなミドルクラスの中でオススメの1台。1999年に初代が誕生し、現在のスタイルになったのは2016年。スポーツバイクとしては極めて長い市場経験を積んでいます。それだけ熟成されて完成度が高いと思っていいでしょう。
今、このクラスには同じツインエンジンを搭載したモデルが何機種かありますが、現行の中でVツインエンジンを搭載しているのはこのSVだけなのです。Vツインエンジンはエンジンの横幅が狭いので車体もスリムにつくることができ、運動性能も高くなるというメリットがあります。また、不等間隔爆発ならではのドコドコとした鼓動感やサウンドが特徴的で、直列4気筒などとはまた違ったおもしろさも兼ね備えています。現行モデルのSVは排出ガス規制対応で少しパワーダウンしているものの72㎰のパワーはありますし、最大トルクの発生回転数が下がったからか走り始めの低中速域での力強さは増しているようで、実際乗った印象も大した差は感じませんでした。やさしいレスポンスのエンジンは街中で使いやすく、回せば回したなりに元気で軽快に走れます。SVはこれまで同様、軽量でスリム&コンパクトで扱いやすいサイズでありながら、パワフルでスポーティな走りもガッツリ楽しめるオールマイティなバイクなのです。
まず、またがってみると、そのコンパクトさに驚きます。タンクやシート前方がスリムだから、シート高785㎜というスペック以上に足つきは良好です。身長167㎝で両足を出すと、ほんの気持ちカカトが浮くかなーというくらい。またがったまま両足を着いてパタパタとUターンをするのもへっちゃらです。また、“スリム&シンプル”がコンセプトのデザインは、流行に左右されないスタイルでありながらも、トラスパイプフレームやカラーホイールなど、上品な仕上がりです。そしてローRPMアシストがいい仕事をしてくれます。発進時やUターンなどの低回転走行時にエンジン回転数をわずかに上げてくれるので、この機能がないとうっかりエンストしてしまいそうなシチュエーションでも、クラッチをつなげばこのシステムがある程度サポートしてくれるのです。
エンジンもハンドリングも素直で扱いやすいスリムな車格だから、うっかりしていると250か400㏄くらいのバイクに乗っている気になってしまいます。大型バイクとして身のこなしが軽快なんだけど、このクラスのほかのライバルに比べると、ドシッとしているような感触があります。それが、いい意味で大型バイクならではの安定感を生んでいます。身軽なのにしっかりとした節度があって、いい具合にバランスがとれているのが特長で、ツーリングでの気ラクな操作や峠道でのアクティブな操作を容易にしています。ブレーキも強力でコントローラブルだし、乗り心地もなかなか快適です。
それにルックス的にも特徴になっているV型90度のツインエンジンも快適です。低回転域から気になる振動はなく、とても伸びやかに吹け上がってくれます。低速から力強く、心地よいパルス感もあります。加速感はどこまでもストレートで、やっぱり400㏄クラスでは絶対に味わうことのできないコシの強いトルクで加速します。追い越しをかけるような時は、そのモリモリとしたトルクで力強い加速の立ち上がり方をします。ラフに操作してもフロントがリフトするようなガツンとした加速の立ち上がりでなく、やさしく付いてグイグイ! です。
スロットルの反応は全回転域をとおしてダイレクト。そっと開ければスーッとなめらかに、一気に大きく開ければ、ダカカカッといったパルス感とともに頼もしい加速をしてくれます。パワーがあるからこそ、がんばらずに走れる。いつも全力疾走じゃ疲れるでしょ。SVは400㏄クラスの車格で、その分の余力があってラクチンな操作ができるのです。リッターバイクと一緒にツーリングをしても遜色なく走れる力量があります。うれしいのは、そんな力を簡単に発揮するエンジンなのに、やさしく応答することで、街中などの低中速で加減速を繰り返すような状況から扱いやすいことです。
ツーリングに行ったのなら、ワインディングを堪能したい。乗り心地のいいソフトな足まわりは魅力なんだけど、それでいてフワフワしすぎないのでスポーツするのが楽しいのも魅力といっていいでしょう。軽快で適度な安定感付きのハンドリングだと先に書きましたが、これが峠道で光ります。
今回はおもに市街地と高速道路で試乗したけれど、以前乗った時同様にその身のこなしと扱いやすいエンジンに感心しました。軽い手ごたえのままクルックルッとよく曲がるし、コーナリング中はエンジンパワーにものをいわせてグリグリとよく粘る。そして立ち上がりも早い。切り返しもスパッスパッと軽くて気持ちがいい。そんなスポーツバイクの顔をのぞかせるのだけど、かといって全然ストイックな気分で走ってはいませんでした。
エンジンにもハンドリングにも乗り手を選ばない素直さがある感じなのです。簡単に手なずけられる、すごく扱えているような気にさせてくれる、フレンドリーなバイクです。スポーツバイクの俊敏さと、コミューターバイクの扱いやすさを合わせたようなイメージかな。走りの腕が上がったように感じさせてくれる…というか、簡単に扱えるこのバイクのおかげで、走りの腕が上がったみたいな錯覚を起こしそうです。いやいや、乗っているうちに本当にうまくなっていくような気がします。乗りやすくて少々アタックするような使い方をしてもバイクの方がフォローしてくれるのです。
なんでもこなす欲張りなバイク
身長155㎝の小柄な女子ライダーにも少し試乗してもらいました。まずシートが細身だから足が真っすぐ下におろせて、両足で車体を支えられるから安心だと。体格的にツラいけど大型をあきらめたくないという女子ライダーが、しっかりと取り回せていました。それに、乗車姿勢も上体が起きていてハンドルまでの距離もほどよく、ムリのないライディングフォームで乗れるとのこと。 もちろん、SVはベテランが操っても満足できます。ハンドリングも軽快だから峠道などでもキビキビとしたスポーティなライディングができます。元気よく走りたければそれに呼応してくれるし、のんびり流すのも得意。とにかく車体が軽くてコンパクトだから、街乗りや、ちょこちょこ寄り道をするのにも使いやすい。このクラスにしては申し分ないほど路面の荒れなどに強い足まわりも持っています。それでいてお値段はなかなか手ごろ。いろんな使い方、乗り方が楽しめるオールマイティなバイクといえるんじゃないかな。
SUZUKI SV650 ABSのディテール
SUZUKI SV650 ABSの足つき&乗車ポジション
SUZUKI SV650 ABSのスペック
- 全長×全幅×全高
- 2,140×760×1,090(㎜)
- 軸間距離
- 1,450㎜
- シート高
- 785㎜
- 車両重量
- 199㎏
- エンジン型式・排気量
- 水冷4ストロークDOHC4バルブV型2気筒・645㎤
- 最高出力
- 53kW(72㎰)/8,500rpm
- 最大トルク
- 63N・m(6.4㎏f・m)/6,800rpm
- 燃料タンク容量
- 14ℓ
- 燃費(WMTC)
- 24.4㎞/ℓ
- タイヤサイズ
- F=120/70-17・R=160/60-17
- 価格
- 80万3,000円(税込)
カラーバリエーション(2023年モデル)
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