1901年、アメリカで初めてオートバイを作ったメーカー「インディアン」。中でもスカウトというバイクは、インディアンの歴史を語る上で外せない伝説のモデル。その誕生100周年記念し、アニバーサリーモデルが発売されました。
歴史と伝統を携えた、もうひとつのアメリカン
アメリカのバイクといえば、まず思い浮かぶのはハーレーダビッドソンでしょう。…というより、それ以外に思いつかない人も多いはず。2019年、日本における輸入バイクのうち、ハーレーが占める割合はおよそ4割。もちろんぶっちぎりのトップシェア。実のところ、わたしはバイクの免許を取得する前“アメリカン=ハーレー”だと思っていました。それほどハーレーは浸透しているけれど、アメリカで最初にバイクを作ったのはこのインディアンというメーカー。ハーレーはインディアンから2年遅れてモーターサイクル市場に参入し、両社は長い間ライバル関係にありました。どちらものんびり流すクルーザー的ルックスですが、インディアンのほうがスポーツ色が強く、パワフルで速いバイクだったようです。その中でもスカウトシリーズは数々のレースで輝かしい成績をおさめてきました。しかし戦争やら大恐慌やら時代の波に揉まれてインディアンの業績は乱高下。バイクを作る技術はあっても、経営のセンスや時代に恵まれなかったのか…何度も倒産を繰り返すという、波乱万丈の歴史を持つメーカーでもあります。
クルーザーのようなスポーツバイク
最初にスカウトという名前のバイクが登場したのは1920年のこと。当時の排気量は600cc。最新の技術で作られた現在のスカウトは、まるで日本のスポーツエンジンのように元気のいい1133cc。ハーレーとはひと味違うエッジの効いたタンクにスマートな車体が特徴です。
この100周年記念モデルはそれに特別な外装やカラーリングを施した世界で750台の限定生産モデル。
クロームメッキされたパーツは上質な輝きを放ち、スポークホイールはクラシカルで落ち着いた雰囲気をかもし出しています。でも中身はスポーティなスカウト。エンジンも車体もカチッとしていて、見た目の印象より随分とキビキビ走ります。
バタバタっと乾いたサウンドを響かせるVツインエンジンは、ボリューム、鼓動感ともに控えめな感じで、もう少しワイルドでも良さそうな気もします。でも長距離を走るにはこのくらいの方がきっと楽しい。性格は素直でパワフル。軽快で、高回転域までスムーズに吹け上がります。そのうえ低回転域からのトルクもあり、ガツンとしたダッシュは頼もしい。のんびりクルージングするなら2500rpm以下で十分心地よく走れるし…さまざまなシーンで扱いやすいエンジンです。さらに扱いやすいポイントとして、ハンドル切れ角が大きくて小回りが効くこと。バンク角も深めなので、かなりタイト目にコーナリングしても、車体のどこも接地しませんでした。クルーザーのカッコよさと、ネイキッドのフレンドリーさを融合させたようなバイクで、コミューターとしても使いやすそうです。
今回試乗したモデルにはオプションパーツが装着されていて、シートはホールド感が高いものに、ステップは近めになっていたので、余計にそう感じたのかもしれません。しかしそれを差し引いたとしても、車重260kgを超えているとは思えないほど軽々とした身のこなしをしてくれます。これなら女性でもムリせずカッコよくキメられることでしょう。
Scout 100th Anniversary Editionのスタイリング
Scout 100th Anniversary Editionの足つき&乗車ポジション
Scout 100th Anniversary Editionのディテール
Scout 100th Anniversary Editionのスペック
- 全長×全幅×全高
- 2,327×1,029×1,076(㎜)
- 軸間距離
- 1,575㎜
- シート高
- 695/708㎜
- 車両重量
- 267kg(燃料100%搭載時)
- エンジン型式・排気量
- 水冷4ストロークDOHC4バルブV型2気筒・1,133㎤
- 最高出力
- ─
- 最大トルク
- 97N・m(9.9kgf・m)/5,600rpm
- 燃料タンク容量
- 12.5ℓ
- タイヤサイズ
- F=130/90-16・R=150/80-16
- 価格
- 192万円~
Scout 100th Anniversary Edition製品ページ
試乗キャンペーンも予定
5月1日からバイカーズパラダイス南箱根にて試乗キャンペーンが予定されていて、そこでこのスカウト100thアニバーサリーにも試乗できるとのこと。
CONTACT
- 問い合わせ先
- ポラリス ジャパン
- URL
- https://www.indianmotorcycle.co.jp